富田こどもクリニック

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雑記

新生児、乳児のスキンケア

GWも終わって暖かい日が続いています。紫外線対策を謳う化粧品のCMに早くも夏の訪れを感じたりしますが、今回は赤ちゃんのスキンケアについてお知らせします。(参考文献:小児科臨床Vol.60増刊号、花王HP)

赤ちゃんの皮膚に対するイメージをアンケートで聞いたところ、上位3つ『やわらかい』、『デリケート』、『弾力がある』は75%以上で挙げられていました。そして4位が『汗っかき』、5位が『弱い』と続きます。
よく赤ちゃんは理想的な肌をしているとイメージしている方がいますが(アンケートでも1/3の方が回答しています)、決してそういう訳ではなく、ひと言で言うなれば『未熟』な状態です。ですから皮膚疾患の予防には、その皮膚の特徴に合わせたスキンケアが重要と言えます。

1)新生児のスキンケア

新生児は皮脂の分泌が盛んです。これは生後2週目頃から前頭部から頭頂部にかけて、白~黄色のウロコのようなカサブタのような皮疹として現れてきます。2ヶ月程で分泌は減少しますが、この間に適切なスキンケアを行わないと、厚く堆積したり、細菌の感染をまなくことになります。また、軽度のかゆみもありますので、赤ちゃんが爪で掻いてしまうことも心配しなくてはいけません。予防は頭皮、頭髪を毎日1回きちんと洗うことですが、通常の石けんは頭部脂漏を落とすには適当ではなく、石けんのカスが毛穴に着くことがあります。他に皮膚のトラブルがなければベビー用でも成人用でも構わないのでシャンプーを使いましょう。家族にアトピー体質があったり、本人の皮膚が刺激に弱い場合は低刺激性のものが安心です(ベビーシャンプー=低刺激、ではないので注意)。

発症したものに対しては、固まってしまうとシャンプーでも簡単には落ちません。よくオリーブオイルを付けるというのが紹介されていますが、初期のもの以外には効果が乏しく、油脂の残存が逆に皮疹の堆積を助長する結果になりかねません。一部の皮膚科で行われている処置を紹介しますので参考にしてください。

まず、白色ワセリンや亜鉛化軟膏などの油脂性保湿外用剤を厚めに塗布し、ガーゼで覆った後、帽子状のネットをかぶせます。そして一昼夜そのままにし、クシですいて軟膏と共に皮疹を取り除くというものです(この際抜毛が見られたりもしますが、一時的なものです)。その後でしっかりシャンプーして終了です。

2)顔の脂漏と座瘡

頭部脂漏と同じような皮疹が眉毛に付着することがあります。また、新生児座瘡というニキビや汗も似た小さなプツプツが額や頬部にしばしば見られます。これも石けんや液体石けんを使って対処しますが、刺激性については前述と同様に考えていけばよいでしょう。指の腹や柔らかい布で丁寧に洗い、すすぎ残しのないよう気を付けましょう。

3)アトピー性皮膚炎の予防

羊水の中で過ごしていた胎児が外に出ると、当然皮膚は乾燥してきます。生後すぐにみられる胎脂は数日で消失しますが、これは初期の乾燥から新生児を守るためと考えられています。ですから、現在の考え方では生後すぐの沐浴はしないというのが主流です。

さて前述の通り。皮脂の分泌は生後1~2ヶ月程までは活発ですが、これは脂漏部位に限った話であり、他の場所では次第に洗浄だけでは乾燥が避けられなくなります。

ですから、脂漏をしっかり洗浄すると共に保湿を怠らないようにしましょう。ある報告によると9~11月生まれにはアトピー性皮膚炎の有病率が高いそうですが、皮脂の分泌が低下する頃に冬を迎えるため、外界からの影響を受けやすいからと考えられます。発症の時期も生後2、3ヶ月に多いことから、この時期の保湿はアトピー性皮膚炎の予防に役立つと思われます。

4)特に顔の湿疹

生後3ヶ月を過ぎると皮脂腺の分泌活動は停止します。乳児の表皮角質水分量は成人女性よりも少なく、かつ水分の蒸散量は成人とあまり変わらないことを考えると、乳児期のスキンケアの重要性が分かると思います。

特に冬場は乾燥型の皮膚炎を起こしやすく、頬部の乾燥と紅斑を呈した後にジクジクした湿疹になったりします。頬部に多い理由としては、唾液や食物での汚れを頻繁に拭き取るため、布による刺激で角質層が破壊され、バリア機能が低下しているからです。同様のことは乳児のアトピー性皮膚炎についても当てはまります。

予防と発症後のケアについては、丁寧な洗顔を1日1回行い、清潔にして二次感染を予防することと、拭いた後の保湿が重要です。市販の保湿クリームなどで構わないので、こまめに塗ってください。携帯用のものを用意して、外出した時でも塗る習慣をつけていくといいと思います。顔を拭いたらその都度塗る感じにして、1日に10回以上は塗るように心掛けてください。